初の沖縄旅行 第1夜

そして当日、わくわくしながら大阪南港へ。
まずは案内係の人が僕らを客室へ案内してくれた。
船内を歩きながら、2等客室の横を通り、僕たちもこういった所で寝るんやねー等と3人で会話していたら、いったん船内から外へ出た。

船の客室は基本的に2等客室は大部屋でみんなが雑魚寝をするタイプで、一応毛布や枕が備え付けられている。
1等客室は個室タイプでプライバシーが守られるタイプの部屋。
特等客室は1番豪華な個室で快適な船旅が約束されているタイプ。

そして僕たちが寝るのは、もちろん2等客室。

そして案内人の後ろを歩いている時に外の通路へ出た。
そこには何故か毛布と枕が置いてある。
もう少し歩くのかと思うと、案内人はピタッと止まりこちらに振り向く。

案「お客様はこちらで寝て頂きますね」
俺ら「えっ?」
案「こちらが寝床となっております」
俺ら「はぁ、はい。」

そして案内人は何処かへ消えていく。

その場所とは船の外にある通路で、真横は太平洋が見渡せ、風を感じ、潮の香りと音がダイレクトに聞こえるオーシャンビューです。

オーシャンビューだと聞こえは良いけど、何の変哲も無い、かろうじて日よけが出来るだけの簡素な屋根があり、鉄の柵の横は普通に海で、通路に毛布と枕が置いてあるだけの刑務所の方がまだマシであろうな場所。

文句を言っても仕方が無いし、とりあえず寝る所はあるんだからと、そしてこれから悲惨な状況が起きる事を知るよしも無く、3人は無邪気に船の中を探検しにいくのであった。


つづく。